-- 医療法人土屋小児病院 -- Tsuchiya Children's Hospital -- 獨協医科大学連携病院  日本アレルギー学会認定教育施設 --


冬の嘔吐 NLV(SRSV)感染症

 SRSV(小型球形ウイルス)と呼ばれていた、最近、遺伝子レベルでの分類が可能になり、これまでノーウォークウイルス、メキシコウイルス、ハワイ因子などの株名で呼ばれていた一群のウイルスをNLVと総称する。
 本ウイルスによる急性胃腸炎は食品による食中毒が有名であったが、水を介する場合、さらにヒト−ヒトで伝播し、秋から冬にかけて小児で流行することが明らかになった。

臨床症状

 NLV が感染したときの主な症状は、下痢、嘔吐、吐気、腹痛。発熱は殆ど認めない、頭痛、筋肉痛を伴うことがある。 通常1 〜2 日の潜伏期があり、上記症状が1〜3 日続き速やかに回復する。ウイルス粒子の便への排泄は発症とともに始まり、通常症状が消えてから3 日以内には電子顕微鏡で検出できなくなる。

 治療

対症療法のみ。嘔吐により脱水症状が強い場合は補液を行なう。

 予防

主な感染ルートである経口感染は、手洗い衛生面での注意。しかし飛まつ感染があるらしく手洗いのみでは感染は防げない。