-- 医療法人土屋小児病院 -- Tsuchiya Children's Hospital -- 獨協医科大学連携病院 日本アレルギー学会認定教育施設 --
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元輝 1997年12月号
土屋小児病院アレルギー外来(月、水、土曜日の各午後) 日本小児科学会認定医 日本アレルギー学会認定医 土屋喬義質問 7歳の子どもですが喘息による発作を良く起こします。普段から予防する方法はないでしょうか? 診察室 最近喘息の原因はアレルギー性の炎症であるということが分かってきました。 このアレルギーの原因はハウスダスト、ヤケヒョウヒダニなど室内の埃によるものが代表的です。 ご家庭で出来る喘息の予防としてはこれらの室内の埃を減らす事が先ず考えられます。 特にヤケヒョウヒダニはヒトのフケ、お菓子の食べカスなどを餌にしています。ダニの餌の多い所は布団、枕、ソファー、ぬいぐるみなどですからこれらを先ずきれいにしましょう。 良く干して乾燥させるとダニは住みにくくなり、やがて死滅します。 布団は1平方メートルあたり30秒位のゆっくりした速度で毎週1回程度掃除機をかけるとフケやダニの死骸やフンなども吸い取れ、1ヶ月程度でかなりきれいになります。 枕もプラスチックのパイプなど出来た物を使用しましょう。 同じ部屋で使用する寝具も掃除しないと片手落ちになってしまいます。 ぬいぐるみなど洗える物は洗ってしまいましょう。 またダニやカビが住みにくくなるように1日一回は窓を開けて換気し、家の中を乾燥させて下さい。 ハウスダストに対しては家の中の埃だまりが無くなるよう努めて下さい。掃除は毎日の積み重ねです。喘息をなおそうとただやみくもに掃除をしてまわっても家の中は広いので掃除掃除ノイローゼになってしまいそうです。 今お話した所を中心に少しずつ出来る所から行って行きましょう。 喘息用に工夫された布団や枕、ぬいぐるみなども市販されています。 これらを使用するのも悪くないと思います。普段元気な時には出来るだけ外で遊ばせたりスイミングなどのスポーツを楽しく行い体力をつけましょう。 そうすればきっと軽い喘息はおきなくなり、また重い喘息も軽くなってくるでしょう。いまお話した事はあくまでご家庭で出来る予防のお話です。これだけでは喘息を直す事はなかなか難しいことです。 喘息発作を頻回(月2回以上)認める場合は重症の喘息も考えられます。 近くの専門の先生にご相談下さい。 喘息の治療は大変進んで来ています。正しい治療と指導を受ければきっと喘息発作の無い楽しい生活が送れるようになると思います。 |