-- 医療法人土屋小児病院 -- Tsuchiya Children's Hospital -- 獨協医科大学連携病院  日本アレルギー学会認定教育施設 --


吐きやすい乳児について

土屋小児病院 新生児乳児専門外来(金曜日)

獨協医科大学 小児科講師(未熟児、新生児

鈴村 宏

小児科の外来に、吐きやすいということで受診される生後1〜3ヶ月の赤ちゃんは珍しくありません。ここでは代表的なものをとりあげて、ご家庭での対応のしかたについてお話しします。

赤ちゃんが哺乳後に口から垂らす程度か、吐いても少量であればまず心配はありません。問題になるのは吐く量が多く、回数も1日の哺乳回数の半分以上になる場合です。

まず、哺乳している量が多すぎると吐くことがあります。哺乳びんで飲ませる場合は母乳の直接哺乳と違って飲みすぎることがあります。

適量を飲んでいても吐く場合の原因には、肥厚性幽門狭窄症、空気燕下症、胃食道逆流などがあります。肥厚性幽門狭窄症はおよそ生後2週間ぐらいに発症し、噴水のように吐き、吐いた後にまた欲しがって飲むというのが特徴的です。特殊な検査や手術が必要なことがありますから、この病気を疑ったときは病院を受診して下さい。空気燕下症は哺乳するときに空気も一緒に飲んでしまってげっぷと同時に吐くというものです。哺乳びんの乳首の穴が小さすぎると起こりやすいといわれています。また、胃食道逆流による嘔吐は乳児には珍しくありません。寝かせた状態では吐きやすいので哺乳後30分ほど縦抱きにすることによって徐々に改善します。機嫌が良くて体重が順調に増加している場合は急ぐ必要はありませんが、なかなか良くならない場合や哺乳後にぜいぜいすることが目立つような場合は薬剤内服が必要なこともありますから、病院受診をおすすめします。