-- 医療法人土屋小児病院 -- Tsuchiya Children's Hospital -- 獨協医科大学連携病院  日本アレルギー学会認定教育施設 --


揺さぶられっ子症候群

 

土屋小児病院

土屋喬義

 

乳幼児を強く揺さぶると脳の血管、脳自体が引き裂かれてしまいその結果、死亡するか、助かっても重大な脳障害を残してしまう事があります。これを揺さぶられっ子症候群と言います。 欧米では、子供を叱る場合、強く揺さぶると言う行動に出る事が多く、子供に対する虐待の主な原因として知られており、乳幼児の頭を強く揺さぶらない様キャンペーンが行われています。

乳児の脳は未発達で弱いため、強く揺さぶると脳の血管、そして脳自体が引き裂かれやすいのです。揺さぶられっ子症候群の症状は揺さぶられた後、うとうとと眠りがち、ミルクを飲まなくなる、いつもと違った声で泣くから始まり意識が無くなったり、痙攣を起こしたりします。死亡率が高く、また助かっても精神発達の遅れや、視力障害などの重大な脳障害を残します。

強い揺さぶりの様な脳への強い衝撃が繰り返し行われる行為は虐待と全く関係の無い日常の育児でも起こる事があり日頃の注意が必要です。

 

乳幼児を「高い高い」とあやす事。

揺するようにあやす事。

またげっぷさせるために強く背中をたたく事。

 

これらは強い揺さぶりと同じ結果となります。善意の結果、日常の子育ての結果起こりうる事故ですので注意が必要です。

高い高いとあやす事は止める様注意する事、そして乳幼児が泣き止まない場合は揺すってあやすのではなく、おむつを確認する。ミルクを飲ませてみる、衣服を調節してあげる、外に連れ出してみるなどを試してみましょう。